4STEP数Ⅰの解説

本日は4STEP数Ⅰの解説や解答をこの記事で紹介していきます。4STEPは数研出版が出している問題集です。

4STEPは多くの高校で使われているので、知っている学生さんも多いのではないでしょうか?私も、この4STEPを高校の時に宿題としてさせられていました。

そして、知っている方なら、共感してもらえると思いますが、この4STEPは「とにかく問題の数が多い!」と思いませんか?

しかも、学校によっては、なぜか4STEPの解説や解答を渡さない所があります。おそらく、数学が苦手な人なら、心が折れそうになる問題集だと思います。

なので、4STEPを「わからない!難しい」と思われている方に、今回はコメントで「この問題の解説がほしい」とリクエストされたものを紹介します。


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4STEPの集合と命題

ペンネーム「みきしん」さんからいただいた質問です。

4STEP、数Ⅰの102

【問題】a、bは実数とする。次の命題の真偽を調べよ。

(1)ab=0ならばa+b=0である。

(2)abが有理数ならば、a、bはともに有理数である。

(3)a+b、abがともに有理数ならば、a、bはともに有理数である。


(1)の解説、解答

明らかに偽である。反例は、a=0、b=3。

このとき、ab=0だが、

+b

=0+9

=9

となり、結論であるa+b=0にはならない。


4step解答、解説



4STEP、数Ⅰの105

【問題】次の命題の否定を述べよ。また、もとの命題とその否定の真偽を求めよ。

(1)すべての実数xについて(x-1)≠0である。

(2)ある自然数nについてn=5n


(1)の解説、解答

「すべてのxについてpである」の否定は、

「あるxについてpでない」

という知識を利用する。

よって、すべての実数xについて(x-1)≠0の否定は、

ある実数xについて(x-1)² = 0

である。


すべての実数xについて(x-1)≠0の真偽は、偽である。

反例は、x=1。このとき、(x-1)=0となる。


ある実数xについて(x-1)= 0の真偽は真である。なぜなら、ある実数がx=1なら、(x-1)=0となるから。


(2)の解説、解答

この問題も「あるxについてpである」の否定は、

「すべてのxについてpでない」

という知識を利用するだけ。

よって、ある自然数nについてn=5nの否定は、

すべての自然数nについてn≠5nである。


ある自然数nについてn=5nの真偽は、真である。なぜなら、n=5のときn=5nとなるから。


すべての自然数nについてn≠5nの真偽は、偽である。

反例はn=5。このとき、n=5nとなるから。



4STEP、数Ⅰの108

4step解説、解答、数学A問題
(1)の解説、解答

4step解説、解答、数学Ⅰ


(2)の解説、解答

4step解説、解答、数学A

(3)の解説、解答

4step解説、解答、数学A問題


ペンネーム「眠い」さんからいただいた質問です。

4STEP、数Ⅰ

【問題】a、bは整数とするとき、次のことを背理法を用いて証明せよ。

(1)abが奇数ならば、a、bはともに奇数である。

(2)abが偶数ならば、a、bの少なくとも一方は偶数である。


(1)の解説、解答

「a、bともにpである」の否定は、

「a、bの少なくとも一方はpでない。」

を知っているかがポイントとなる。 例えば、

「a、bはともに奇数」の否定は

「a、bの少なくとも一方は偶数」

となる。

背理法により、

「abが奇数ならば、a、bの少なくとも一方は、偶数である」

と仮定する。

aを偶数、bを奇数とすると、

a=2m

b=2n+1(m、nは整数)

とおける。ここで、

ab=2m(2n+1)

  =2(2mn+2)

となるので、abは偶数となる。しかし、abは条件より奇数なので、この等式は矛盾する。よって、もとの題意は正しい。


(2)の解説、解答

背理法により、

「abが偶数ならば、a、bともに奇数である」

と仮定する。

a、bは奇数なので、

a=2m+1

b=2n+1(m、nは整数)

とおける。ここで、

ab=(2m+1)(2n+1)

  =4mn+2m+2n+1

  =2(2mn+m+n)+1

となるので、abは奇数となる。しかし、abは条件より偶数なので、この等式は矛盾する。よって、もとの題意は正しい。



4STEP、数Ⅰの110

【問題】m、nは整数とする。次の命題を証明せよ。

(1)nが5の倍数ならば、nは5の倍数である。

(2)mnが3の倍数ならば、m、nの少なくとも一方は3の倍数である。


(1)の解説、解答

もとの命題の対偶をとると、

「nが5の倍数でないならば、nは5の倍数でない」

となる。

nは5の倍数でないので、

n=5m-1、5m-2、5m-3、5m-4(mは整数)

とおける。


①n=5m-1のとき、

=(5m-1)

   =25m-10m+1

   =5(5m-2m)+1

となり、nは5の倍数でない。


②n=5m-2のとき、

=(5m-2)

   =25m-20m+4

   =5(5m-4m)+4

となり、nは5の倍数でない。


③n=5m-3のとき、

=(5m-3)

   =25m-30m+9

   =5(5m-6m+1)+4

となり、nは5の倍数でない。


④n=5m-1のとき、

=(5m-4)

   =25m-40m+16

   =5(5m-8m+3)+1

となり、nは5の倍数でない。


①から④より、対偶が真なので、もとの命題も真。


(2)の解説、解答

もとの命題の対偶をとると、

「m、nともに3の倍数でないならば、mnは3の倍数でない」

となる。 m、nは3の倍数でないので、

m=3a+1、3a+2(aは整数でnも同様)

とおける。

①m=3a+1、n=3b+1(bは整数)のとき、

mn=(3a+1)(3b+1)

  =9ab+3a+3b+1

  =3(3ab+a+b)+1

となり、mnは3の倍数でない。


②m=3a+1、n=3b+2(bは整数)のとき 、

mn=(3a+1)(3b+2)

  =9ab+6a+3b+2

  =3(3ab+2a+b)+2

となり、mnは3の倍数でない。


③m=3a+2、n=3b+2(bは整数)のとき 、

mn=(3a+2)(3b+2)

  =9ab+6a+6b+4

  =3(3ab+a+b+3)+1

となり、mnは3の倍数でない。

①から③より、対偶が真なので、もとの命題も真。



ペンネーム「名無し」さんから質問された問題です。

4STEP、数Ⅰの110

4step解説、解答、数学A問題


4STEP、数Ⅰの112

【問題】p、qが有理数、Xが無理数で、p+qX=0であるならば、p=0、q=0であることを証明せよ。


(1)の解説、解答

4step解説、解答、数学A問題



ペンネーム「通報部隊」さんからいただいた4stepの質問です。

4STEP、数Ⅰの113

【問題】次の等式を満たす有理数p、qの値を求めよ。

4step


(1)の解説、解答

4step、解説


(2)の解説、解答
4step、解答



4STEP、数Ⅰ 

【問題】nは整数とする。次のことを証明せよ。

(1)n+5n+4は偶数である。

(2)n+1は3の倍数でない。


(1)の解説、解答

nは整数なので、奇数か偶数となり、

n=2m-1とn=2m(mは整数)

とおいて、場合分けで考える。

①n=2m-1のとき、

+5n+4

=(2m-1)+5(2m-1)+4

=4m+6m

=2(2m+3m)

よって、偶数となる。


②n=2mのとき、

+5n+4

=(2m)+5(2m)+4

=4m+10m+4

=2(2m+5m+2)

よって、偶数となる。

①、②より、題意をみたす。


(2)の解説、解答

n=3m、3m+1、3m+2(mは整数)とおいて場合分けする。

①n=3mのとき、

+1

=(3m)+1

=9m+1

=3×3m+1

よって、3の倍数ではない。


②n=3m+1のとき、

+1

=(3m+1)+1

=9m+6m+2

=3(3m+2m)+2

よって、3の倍数ではない。


③n=3m+2のとき、

+1

=(3m+2)+1

=9m+12m+5

=3(3m+4m+1)+2

よって、3の倍数ではない。

①~③より、題意をみたす。



4STEPの三角比

ペンネーム「まほっち」さんからいただいた、4stepの質問です。

4STEP、数Ⅰの243(3)

【問題】(sin70°+sin20°)2 -2tan70°cos2 70°の値を求めよ。


解説、解答

※訂正※ 下から3行目のsin70°は誤字で、正しくはsin2 70°です。

4stepの解答、解説



4STEP、数Ⅰの243(3)

4stepの解答、解説


(1)の解説、解答

三角比の角度をすべて10°に変換すれば計算できる。

cos(90°-θ)=sinθより、

cos80°

=cos(90°-10°)

=sin10°


sin(90°+θ)=cosθより、

sin100°

=sin(90°+10°)

=cos10°


cos(180°-θ)=-cosθより、

cos170°

=cos(180°-10°)

=-cos10°


sin10°cos80°-sin100°cos170°

=sin10°sin10°-cos10°×(-cos10°)

=sin2 10°+cos2 10°

=1


(2)の解説、解答

4stepの解答、解説

 
(3)の解説、解答

sin(90°+θ)=cosθ、  

sin(180°-θ)=sinθ、  

cos(90°+θ)=-sinθ、 

sin(90°-θ)=cosθより、

sin2(90°+θ)+sin2(180°-θ)+cos2(90°+θ)+sin2(90°-θ)

=(cosθ)2+(sinθ)2+(-sinθ)2+(cosθ)2

=cos2θ+sin2θ+sin2θ+cos2θ

=2(cos2θ+sin2θ) …A 

cos2θ+sin2θ=1より、

A=2



今回は4STEP数Ⅰの解説や解答を紹介してきました。4stepのわからない問題の解説・解答がほしい方は、お気軽にコメント欄で、三重の家庭教師にまでご連絡ください。

また、誤字・脱字、間違い等を見つけた方も、教えていただけると幸いです。

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