こんにちは、三重の家庭教師です。今回は、数学Ⅱの積分の最後に登場する「積分で面積を求める問題」について解説していきます。

積分の分野では、グラフ同士で囲まれた面積を求める問題がよく出題されます。特にセンター試験では、毎年のように、第2問の最後の方で出題されています。

この積分で面積を求める問題なんですが、覚えてほしいことは、1つだけです!下のことをしっかり覚えてください。これさえ覚えたら、ほとんどの面積の問題を解くことができます。

積分と面積

一般に、上図のように、横幅がa~bでグラフとグラフで囲まれた緑色の面積の部分は、上のような定積分で求めることができるんです。ここで、「上の式と下の式って何?」と思われた方もいると思いますので、簡単な例で解説していきます。

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問題  下のグラフで囲まれた面積Sを計算してみよう。

積分 面積

まず、面積の横幅を確認すると、-2~3ですね。ということで、画像のように、定積分の下端(∫の下の数のこと)が-2、上端が(∫の上の数のこと)になります。

次に上の式と下の式の確認です。上の式は、「面積Sを囲んでいる上側のグラフ」を意味します。面積Sの上側の式を見ると、y=-x+6で囲まれているので、上の式は-x+6を代入することになります。なお、y=の部分は書かなくてOKです。

次に下の式ですが、下の式は「面積Sを囲んでいる下側のグラフ」を意味します。面積Sの下側の式を見ると、y=-xなので、下の式は-xを代入することになります。なお、ここでもy=は書かなくてOKです。

ここまで来たら、上の式-下の式に代入して、画像のように定積分の計算をすれば終わりです。なお、定積分の計算がわからない人は、まず積分の公式一覧!数2の積分はこれで大丈夫!を確認してください。



問題  下のグラフで囲まれた面積Sを計算してみよう。

定積分と面積

では次に、直線同士で囲まれた三角形の面積を求めてみましょう。三角形の面積の場合は、定積分を使わなくても、底辺×高さ÷2で出すことができます。

なので、この三角形の面積なら、底辺が4、高さが2なので、面積は4×2÷2=4とすぐにわかります。では、本当に定積分でも面積が出せるのか?ということを再確認していきましょう。

面積の横幅は、0~2ですね。ということで、画像のように、定積分の下端(∫の下の数のこと)が、上端が(∫の上の数のこと)になります。

次に上の式と下の式の確認です。上の式は、面積の上の部分のグラフなのでy=-x+4ですね。下の式は、y=xなので、下の式はxを代入することになります。

よって、上の式-下の式=-x+4-x=-2x+4となります。なお、何度も言いますが、上の式-下の式には、y=は代入しなくてもOKです。

後は、画像のように定積分の計算をすれば、ちゃんと面積が4になります。定積分でも面積を出すことができるということを確認できましたか?



問題  下のグラフで囲まれた面積Sを計算してみよう。

積分の面積計算

今度は、y=-x+4とx軸で囲まれた面積を求めてみましょう。まず、面積の横幅は、-2~2なので、定積分の下端(∫の下の数のこと)が-2、上端が(∫の上の数のこと)になります。

次に上の式と下の式の確認です。上の式は、面積の上の部分のグラフなのでy=-x+4ですね。ここまでは、わかる人が多いと思います。しかし、下の式はどうでしょうか?

下の式は、x軸になっていますが、下の式に何を入れたらいいか皆さんわかりますか?実は、x軸は、「y=0」と表します。なので、下の式には0を代入することになります。

よって、上の式-下の式=-x+4-=-x+4となります。この問題のように、x軸で囲まれた部分の面積を求める時は、「x軸はy=0と考える」のが、ポイントなんです。



問題  下のグラフで囲まれた面積Sを計算してみよう。

積分 面積 計算

定積分の上の式-下の式を利用すれば、y=xのような三次関数とx軸で囲まれた部分の面積も求めることができます。

まず、面積の横幅は、-1~0なので、定積分の下端(∫の下の数のこと)が-1、上端が(∫の上の数のこと)になりますね。もう上端、下端に何を入れるかは理解できましたか?

次に上の式と下の式の確認です。上の式は、面積の上の部分のグラフなのでx軸ですね。先ほどの問題で解説したように、x軸はy=0と表すので、上の式には0を代入することになります。

一方、下の式は、面積の下の部分のグラフなのでy=xです。よって、上の式-下の式は、0-=-xとなります。大切なので何度も言いますが、x軸で囲まれた部分の面積を求める時は、「x軸はy=0と考える」のが、ポイントなんです。
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