こんにちは、三重の家庭教師です!今回は高校数学Ⅰの「数と式」の分野の「一次不等式」の定理・公式、また計算問題や文章題の解き方を解説していきます。

一次不等式は高校の範囲ですが、ここで紹介する計算問題なら、中学生の方でも理解できるかもしれません。なので、数学が苦手な子も不等式は中学レベルだと思って、頑張って理解してください。

なお、「この問題の解説がもっとほしい!」とか「この問題の答えは間違いじゃないの?」という意見があれば、ぜひコメント欄にご意見いただけたらと思います。

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【目次】

一次不等式の解き方

数直線の表し方

連立不等式

絶対値の等式と不等式

一次不等式を満たす自然数や整数




【一次不等式の解き方】

一次不等式の解き方

【この問題の補足解説】

①~④
①と②、③と④は、=と>が違うだけで解き方は全く同じですね。「一次不等式の計算問題は中学生の方でも解ける!」と最初に言いましたが、その意味がわかってもらえましたか?

実は、一次不等式の解き方は、中学で習った方程式の解き方とほとんど同じなのがわかると思います。だから、問題によっては、中学生の方でも不等式の計算問題が解けちゃうんです。


⑤⑥
一次不等式と方程式の解き方はほとんど同じと言いましたが、この問題でその違いがわかると思います。⑤のように、両辺をマイナスの数で割ったり、掛けたりした場合は、不等号の向きを逆向きに変えるというのが、不等式のルールなんです。

つまり、-2x>6なら、両辺を-2で割る、つまりマイナスの数で割るので、答えは、x-3となり、不等号の向きを>から<へと逆向きにしないといけないんです。

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【数直線の表し方】

一次不等式、数直線

【この問題の補足解説】


x>2は、「xは2より大きい」という意味で2は含みません。x>2を数直線で書くと図のようになり、2より大きい数の部分を灰色で表しています。

また、2の上に白丸の〇マークがありますが、これは「2を含まないよ」という意味です。②のように黒丸を書くと、「2を含みますよー」という意味になります。



x≧2は、「xは2以上」という意味で2を含みます。x≧2を数直線で書くと図のようになり、先ほど①で説明したように、2を含むので、2の上に黒丸●を書きこみます。



x<-3は、「xは-3より小さい(-3未満)」という意味で-3は含みません。x<-3を数直線で書くと図のようになり、-3より小さい数の部分を灰色で表しています。

当然、x<-3を表す方向は、①のx>2とは逆向きに色を塗ることになります。ここでよく間違えるのが、数直線の塗る向きです。x>2なら、右側に塗り、x<-3なら、左側に塗るので、塗る方向を間違わないようにしましょう。



x<-3は、「xは-3以下」という意味で-3を含みます。-3を含むので、②と同じように-3の上に黒丸●を書きこみます。



0<x≦4は、「xは0より大きく4以下」という意味です。言い変えると、x>0とx≦4を合わせた表し方です。



【連立不等式】

連立不等式、解き方

【この問題の補足解説】


中学校では、「連立方程式」を習いましたが、高校の数学Ⅰでは、「連立不等式」を習います。連立不等式の解き方のポイントは、数直線を書くことです。

x>0とx≦4の数直線を書くと、画像のようになります。この数直線を書いたときに、それぞれが重なるところ(黒く塗った部分)が連立不等式の答えとなります。

重なっている部分は、0より大きく、4以下のところなので、答えは、0<x≦4となります。これは、先ほど3)でやった数直線の問題も参考にしてください。



A≦B≦Cの連立不等式の問題は、A≦BとB≦Cという感じで2つに分けて考えます。4x-1≦3x+3<4x+3なら、4x-1≦3x+3と3x+3<4x+3に分けることができます。これは、まさしく②と同じ問題を意味します。



【絶対値の等式と不等式】

絶対値 不等式 解き方

【この問題の補足解説】

①②
絶対値とは?絶対値の計算や問題はこの呪文で解けるんだ!で少し解説していますが、絶対値は原点Oからの距離のことです。なので、|x|=3なら、「原点Oからの距離が3になるxは何ですか?」と聞いていることになります。

原点Oからの距離が3になるようなxは3と-3があるので、|x|=3 ⇒ x=±3ということになりますが、|x|=c ⇒ x=±cという公式を使っても解くことが可能です。


④⑤
|x|<3も数直線の距離で考えると、「原点Oからの距離が3より小さいxは何ですか?」と聞いていることになります。

原点Oからの距離が、3より小さいxは、「-3より大きく、3より小さい数」なので、-3<x<3ということになります。ちなみに、|x|≦3なら、「-3以上で3以下の数」を意味するので、-3≦x≦3となります。



-3<x-5<3の計算は、すべての式に+5を加えると計算できます。すべての式に+5をすると、

-3+5<x-5+5<3+5 となり、2<x<8ということになります。


⑦⑧
|x|>3も数直線の距離で考えることができ、「原点Oからの距離が3より大きいxは何ですか?」と聞いていることになります。

原点Oからの距離が、3より大きいxは、「-3より小さい数や、3より大きい数」なので、x<-3や、3<xということになります。ちなみに、|x|≧3なら、「-3以下の数と、3以上の数」を意味するので、x≦-3、3≦xとなります。

|x|>cの問題は、不等号(>や<)の向きを間違えやすいので、注意しましょう。例えば、|x|>5の答えをx>5、x>-5などにしてしまう間違いがよくあります。



【一次不等式を満たす自然数や整数】

一次不等式を満たす、自然数、整数

【この問題の補足解説】

①②
一次不等式では、「x>〇を満たす最小の整数は何か」という文章題や応用問題としてよく出題されます。例えば、x>-1を満たす整数は、0、1、2、3、4、5などがありますが、この中で一番小さい整数なら0ですね。

一方、x>-1を満たす最小の自然数なら、自然数は1以上の整数、つまり0を含まないので、答えは1となりますね。もし、整数、自然数の言葉がわからない人は実数、整数、自然数、有理数、無理数の意味や違いが覚えにくい!を復習してください。



5/2(2分の5)を小数にすると、2.5なので、x>5/2はx>2.5と言い変えることができます。x>2.5は、2.5より大きい整数を考えればいいので、x=3、4、5、6などがあり、この中で一番小さい整数は3ですね。


④⑤
-1<x≦3は、「-1より大きく、3以下の数」を意味するので、これを満たす整数は、0、1、2、3となります。-1<x≦3なので、-1は含まず、3は含まれることに注意しましょう。


⑥⑦
③と同じで、分数を小数にして考えるとわかりやすいです。-5/2(2分の5)を小数にすると、-2.5で、5/4(4分の5)を小数にすると、1.25ですね。

よって、この問題は、「-2.5より大きく、1.25以下の数」と言い変えることができ、これを満たす整数や自然数を求めればよいことになります。



以上で、「一次不等式の解き方」の説明を終わります。引き続き、高校数学の定理や公式を学びたい人は、次に集合の記号と覚え方!簡単な数学の問題で解説していくよ!をどうぞ!

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