今回は、純物質と混合物の例についての記事です。この範囲は、化学の授業で、高校1年生の子が最初に習う分野です。
私も家庭教師として、化学を教えているので、つい先日、この「純物質と混合物の違い」を教えてきたところです。
でも、「純物質と混合物の違いってややこしい!」と思いませんか?私は、初めて学習したとき、「単体と純物質」や「化合物と混合物」の違いがよくわかりませんでした。
なので、もし、アナタも私と同じ状態なら、ぜひこの記事を見ていただけたらと思います。今から私なりに、わかりやすい例を使って簡単に解説していきます。
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純物質と混合物の例と違い
突然ですが、質問です。あなたは「単体と化合物の違い」がわかりますか?純物質と混合物の違いを理解するには、単体と化合物の違いがわかっていないと無理です。
単体と化合物の知識があいまいだと、昔の私のように「単体と純物質」や「化合物と混合物」の違いでつまずくと思います。
なので、もし「わからん、やばい!」という状態なら、まずは単体と化合物の違いを先に見てきてください。お願いします。
それでは、単体と化合物の意味がわかっている前提で、本題にうつります。まず「純物質とは何か?」から解説していきます。純物質は
1種類の単体か化合物からできている物質
のことです。例えば、「水素」や「酸素」は1種類の単体からできている物質なので純物質になります。また、「水」や「二酸化炭素」も1種類の化合物からできているので純物質です。
つまり、「水素や酸素」は単体であり、純物質でもあります。また、「水や二酸化炭素」は化合物であり、純物質とも言えます。
では、次は「混合物とは何か?」の説明です。
混合物は、「混ざる」という字からもわかるように、何かと何かが混ざっているものですね。実は、私達の周りには、混合物がたくさんあります。
例えば、混合物の身近な例を言うと「空気」ですね。空気中には、窒素や酸素や二酸化炭素が混ざっています。
また、「食塩水や海水」なら、塩化ナトリウムや水などが混ざっていますね。これらの例からわかるように、混合物は
2種類以上の純物質が混ざっている物質
のことです。空気なら、窒素や酸素や二酸化炭素など3種類の純物質が混ざっています。塩水や海水なら、塩化ナトリウムや水など、少なくとも2種類の化合物が混ざっています。
このように、純物質が2種類以上混ざっていたら混合物です。ちなみに、「牛乳」や「ジュース」も混合物です。
アナタは、下のような成分表示を見たことがありませんか?
牛乳なら、原材料名(オレンジの①)のところに、生乳、脱脂粉乳、クリームなど色々なものが混ざっていますね。ちょっとは、混合物のイメージがつかめましたか?
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純物質と混合物の問題
それでは、最後に「純物質と混合物の違い」を理解できているかどうかを、問題を使って確認していきましょう。
【問題】次の物質は純物質か混合物のどちらか。
①鉄
①鉄
鉄は化学式が「Fe」で単体です。1種類の単体なので、純物質となります。
②酸素
酸素は化学式が「O2」で単体です。ということで、鉄と同じで純物質です。
③空気
空気は、最初に説明したように、窒素や酸素や二酸化炭素などの純物質が混ざっているので、混合物になります。
ちなみに、空気中には窒素と酸素が4:1の割合で含まれているという知識もよくテストに出ますので、余裕があれば覚えておくと良いと思います。
④ダイヤモンド(炭素)
ダイヤモンドは、色々と混ざっているように見えますが、1種類の炭素からできています。なので、ダイヤモンドの化学式はCと書くこともあり、純物質となります。
⑤塩酸
塩酸は気体の「塩化水素」と「水」の2種類の化合物を混ぜたものなので、混合物になります。塩酸は、純物質と間違えやすいので注意しましょう。
⑥アンモニア
アンモニアは化学式が「NH3」で化合物です。1種類の化合物からできているので、純物質となります。もし「アンモニア水」なら水が混ざるので、混合物となります。
⑦食塩水
食塩水(塩水)は、「塩(塩化ナトリウム)」と「水」が混ざっているので、混合物です。塩と水を混ぜれば、当たり前ですが塩水ができますね。
⑧石油
石油の中には、車に使う「ガソリン」やストーブに使う「灯油」が含まれています。なので、石油は混合物です。
⑨水
水の化学式は「H2O」で、化合物です。1種類の化合物なので、純物質です。ちなみに、水道水だと、塩素系の成分が混ざっているので、混合物になります。
⑩岩石
岩石は石英や長石などの鉱物が混ざっているので、混合物になります。火成岩などは中学の理科で習いましたね。
ということで、今回は「純物質と混合物の例」を紹介してきました。私達の周りには、混合物があふれかえっています。
おそらく、純物質よりも混合物の方が多いと思います。ぜひ、自分の周りの混合物や純物質を探してみましょう。
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